忍者ブログ

夢と現と幻と

心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつくる

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ウイグルの王族の女

日経新聞に連載されている堺屋太一氏の”世界を創った男 チンギス・ハン”では西夏と言う西域の国が攻められる.西夏ときくと,井上靖の『敦煌』を思い出す.たぶん高校一年の夏休みの読書課題が『敦煌』であった.敦煌・莫高窟(ばっこうくつ)に経典が出たことを踏まえて,その当時の西域の政情背景を小説化したものであったと思う.しかし,高校一年の私には,ウイグルの王族の女のことが最も印象深かったのを覚えている.

主人公,超行徳は官吏登用の試験に落ちて兵士となって西域向かう.宋の時代(北宋960~1127年),砂漠の中の交易都市を守る側の超行徳とこれを攻める騎馬民族のチベット系のタングート西夏(1038~1227年)の戦いである.貧弱な騎兵しか持たない漢民族の騎兵は,日露戦争で秋山好古の採った拠点防御方式のような守備をせざるを得ない訳で,砂漠では徐々に壊滅していく.結局は新興勢力西夏が勝つわけである.
この後,世界を創った男(モンゴル1206年~)とその末裔は西夏,金(女真1115年~1234年)を滅ぼし世界帝国を創る.

国や民族が興隆する理由は何であろうか.時代に合ったシステムを持っていることが大事なのか.
指導者が優秀だったのか.人口が増えたからなのか,経済が繁栄したからなのか,武力が秀でていたからなのか.
現今日本を思うと,何れの項目も当てはまらないのが寂しい.
PR