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夢と現と幻と

心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつくる

死の瞬間

以下のYouTubeに,ブレファリズマという繊毛虫が死ぬ瞬間が掲載されている.瞬間と書いたが,数十秒かけて,細胞膜が崩壊していく.
https://www.youtube.com/watch?v=4bj6SqgT4SQ&feature=youtu.be


これは,単細胞生物であるが,多細胞生物と同じように身体の一部分が機能停止しながら,一部分が未だ機能しているという状態を見せてくれる.動いている繊毛がヒトの脳であると考えてみよう.身体の一部分が崩壊し,最早,死を免れない状況が発生し,更に反対側の細胞膜が破れながらも繊毛を動かし続けている.ところが暫くすると,残った部分の細胞崩壊が急激に進み,繊毛構造が身体に固定されているところが,総崩れとなり機能停止する.あとに細胞小器官や細胞質などが残骸として残るが,機能することはできない.
このブレファリズマの繊毛運動の一つが,ヒトの脳活動で,あともう一本の繊毛運動がヒトの心臓であるとするならば,極めて直感的に,直接的に生物個体の死を感じることができるのではないか.

ところで,昔,ある友人と久しぶりに酒を飲みながら話をしていて,彼は,”酵母には出芽酵母と分裂酵母がある.出芽酵母の親酵母をずーと観察していくと,最後は老化して死に到達するが,分裂酵母はどっちが親か分からないのだが,ずーと分裂し続けても,老化して死ぬことはないのだろうか?”というのだった.既に30年以上前の事である.その答えが,
https://note.com/1965_08_07/n/nd396777b90c8にある.
分裂酵母には,老化はないのであるが,やはり1つの細胞は無限には分裂できず,あるとき分裂できない状態になって死を迎えるらしい.ただ,死のタイミングはそれまでの分裂回数には無関係で,集団の中である確率として発生するそうである.(もとの論文:Aging, mortality, and the fast growth trade-off of Schizosaccharomyces pombe



 
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