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夢と現と幻と

心に移りゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつくる

気候変動と未来

先日,「人類と気候の10万年史」を読んだ,というか,聴いた.audiobookで聴いたのである.
福井県に水月湖という湖がある.三方五湖(みかたごこ)の一つで,このうちの最も大きい湖が水月湖である.名前を聞いただけでも,惹かれるものがある.この湖の湖底にはゆっくりと積もり積もった堆積物が,長年破壊されず,綺麗な縞構造を保ったまま保存されているとの事である.それを年縞(ねんこう)と言う.7万年分以上が堆積しているらしいが,そのうち過去5万年が,時を測る「標準時計」として世界に認められているとのことである.
コロナウイルスの蔓延が落ち着いたら,是非行ってみたいところである.7万年分の堆積物は45mになる.
この本は,この
年縞をもとに話が展開するわけであるが,長期的な地球の気候につて言及している.本書で学んだことは
・基本的に寒い時期が多く,氷期と氷期の間に暖かい間氷期がある.
・現代の温暖化予想より急激な温暖化が過去に認められる.
・気候には安定期と変動期があり,変動期の温度変化は短期間に訪れ得る.
・農耕が始まった時期は,気候が安定し,長期的な予測が成り立つようになってからである.

現在,地球は間氷期の暖かい時期を終わろうとしているようである.

ミランコビッチ・サイクルで表される日射量の変化は、
1.地球の公転軌道の離心率の周期的変化、
2.自転軸の傾きの周期的変化、
3.自転軸の歳差運動
によるとされる.
ウィキペディアのミランコビッチ・サイクルを見ると,以下,引用のようになっている.(地質時代における気候変動との関連,2020/7/5時点)
最近100万年で見ると、公転軌道が正しい円に近づいた90万年前と75万年前と39 - 40万年前には、北緯65度における日射量が1m2あたり480W付近であり変化の少ない日射量の期間である事が表から見て取れる。

それと比べて、95万 - 100万年前と60万年前及び20万年前には公転軌道が比較的ひしゃげて楕円になったこと、自転軸も安定的な80万年前には22.3 - 22.7度前後の変動であったものが22.5 - 24度の間を激しくゆれ動くようになったことなどから日射量が440 - 540Wの間で激しく変化し、寒い氷期と温かい間氷期が繰り返された事が読み取れる。

私が生きている間は,たぶん大丈夫であろうが,今後,気候変動が激しくなると,災害のみならず,農耕自体が難しくなる可能性もある.
長期的に,安定した食料を入手するためには,農作物工場を作らなくてはならない.
世間的には,太陽光発電や風量発電が,正しい方向のように言われているが,間違っているのかもしれない.本当は,今やるべき事は,原子力発電所を建てる技術を磨き,農作物工場を賄えるようすることかもしれない.
さもなければ,食糧危機で治安で治安の乱れた世界が訪れるかもしれない.
コロナウイルスが始まった2020年は,あっという間に世界が変わった.安定に見えていたものも,相転換するときは,急激に変わるものである.

audible
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