世の中の事は,見方や見る者の立場によっては違って見える.
アインシュタインも相対性理論の中でそのように説いている.
ところで,最近我々が受け取る情報は,何が事実で,何処までを真実として受け止めるべきなのか,非常に難しい.
特に,テレビの内容には注意が必要である.
あたかも,真実を報道しているような振りをして,視聴率稼ぎの嘘だったりする.真実のような見せかけで興味をそそり,「やらせ」がばれると,「バラエティー番組です」と開き直る.
「あるある大事典」の納豆ダイエットの嘘が問題になる前, 「あるある大事典」ではないが,突然職場に電話がかかってきた.
受付から「**テレビ局の方から電話で,部門責任者と話がしたい」と言っている,とのことであった.現在,責任者は不在である旨を伝えると,残っている者で話ができる人を出してくれ,と粘られた.忙しいところに突然電話してきて,結構横柄である.
内容は,「***にxxxxが効くという話があるのですが,そのことについて聞きたい.」とのことであった.
こちらが,「***にxxxxが効くという話は,何処から出た話ですか」と尋ね返すと,「兎に角,そのような話があるので,医学的に詳しいことを聞きたい」と一方的であった.
「***にxxxxが効くという話に医学的,科学的根拠を持ち合わせていません.個人的にもその話は,信じられないのですが.」というと
そのまま電話は切れてしまった.
真実かどうかは,どうでもよく,はじめからストーリーは決まっているのである.そして都合の良い話だけを集めていたわけである.
ニュース報道もどきについても問題がある.
幼い頃から,NHKをはじめとするニュース報道は,絶対に真実であると思っていたが,どうもこれも,相対性理論の中にあるようだ.
つまり,我々と,そのニュースに何らかの意図を込めて流す側の立場の違いがある.
これを避けるには,報道は,事実のみを中立的な立場で伝えるべきで,ニュースに対して,素人のような司会者やコメンテーターが片方に肩入れするような発言をするべきではない.彼らは,金をもらって仕事として発言しているから素人ではないのであるが,あまり発言に責任を持っているようには見受けられない.市民の味方のような装いをしているが,自分ではニュースソースを確認せず,言いたい放題になりやすい.
ニュースのバラエティー番組化には,毒もある.